読書感想文(半分)

2001年7月21日
久し振りに本を読んだ。
「いちご同盟」と言う本だ。

そのおかげで寝たのが6時すぎと言うのは除いて(ちーん)=_=;

主人公の女の子・直美は病名は記されていないが、多分癌で、
その子の幼馴染の野球部のエース徹也と、
徹也を通じて直美と知り合う事になる、此の本の本主人公良一の、
15歳の純愛物語なんだけども。

徹也は野球部のエース、女子にもモテ、友達も多い、
良一はどちらかと言うと地味な男の子で、女子と会話もあまり出来ず、
ピアノの先生を親に持ち、幼少時代からピアノを弾いて、プロを目指している。

そんな徹也の隠れた?一面に、直美と言う少女が登場する。
直美は中学に入って発病し、徹也は直美を心から好いているし、
直美も徹也を心から好いていた。
が、直美は徹也を通じて知り合った良一に心惹かれて行く。
徹也もその事には薄々気付いている。

だが、徹也は直美への愛も、良一への友情もどちらも大切にし、
また良一も、双方への愛情を大切にする。

そんな中直美は最終的には死んでしまう。

そして徹也と良一は二人とも100まで生きて、直美の事をずっと覚えていようと誓う。
それが、15歳に成り立ての、徹也、良一、そして直美3人の固い絆の同盟。
「いちご同盟」なワケである。

と、粗筋はこんな感ぢ。
何故読んだかと言うと、中2に妹の夏休みの課題図書ってやつだ。

その死を通して、徹也と良一は何を感ぢ、どう変化するか。
直美を取り巻く環境、徹也を取り巻く環境、良一を取り巻く環境は、
様々だが、「死」と言う共通の出来事で、色々な事が大きく変わる。

良一は「自殺」と言う事を深く考えていた。
それは、自分が「自殺する」と言うより、「自殺していった」人々の気持ち、
そして今自分が置かれている立場の厳しさから、
将来の一つの選択肢として「自殺」と言う事柄も入れていた。

だが、直美は言う。
「ワタシは病気だから、自殺する権利が無いの、
自殺って元気な人がやるから騒がれるけど、
ワタシがやったって、ただ病気で辛かったからと言われるだけ、
ワタシには自殺する権利もない、自殺を考えるなんて贅沢だわ」と。

「死」や「自殺」と言う話題は僕には大きすぎる。
そして、それを捉えるのは人々の環境や、条件、性格、価値観等で、
かなりの捉え方があると思う。
十人十色では無いが、きっとみんなが違う意識で持っている筈だ。

「自殺は悪い事」「いけない事」と言う解釈を省いても、
きっと、多くの解釈や、捉え方があると思う。

僕は「自殺したい」と思う人を最近は責めなくなった。
それには、その人の現状が、その人自身が捉えた時に凄く厳しい物だから、
そう言う事さえ考えてしまうんだと思う。

例えばそれが、僕から見て、
「何故そんな事で死を選ぶのか」と思っても、
それはその人にしか分からない辛さがある筈だし。

逆に「自殺なんてもっての他」と言う人の意見も分かる。
当然人間には生きる上で幸せになる権利があるし、
僕が短い16年と言う人生の中でも、
「幸せや、楽しい事は長く続かず、辛かったり、痛い方が楽しい事より比率的には多い、
だが、しかし、それと同様に辛い事もずっと続くわけが無い」
と言う、一つの考えは見いだせて居るワケで、
誰か一人がずっと辛いと言う事はきっと無い筈だ。

だが、「辛い」と言う考えも同様に、人それぞれの解釈があり、
どんな幸せな条件を満たした場所に居ても、
其処に存在する本人が「幸せだ」と認識せず、「辛い」と認識すれば、
「辛い」と言う事が一面的に確立されてしまう。
そう言う意味では、生涯幸せになれない人が生まれても、不思議ではない。

話は大幅にズレているので戻そう。

良一と直美の間には、「自殺」と言う一つの事柄の、
解釈がいくらか違う様に見える。
だが、良一は直美にそう言われた事で、
自分の考えの甘さを知り、「自殺」と言う事を頭に入れなくなった。

それが、良い事なのか、悪い事なのかはよく分からない。
だが、「死」を目前にした人間が、
「自殺」と説くと言うのは、あまりにも重すぎて、
あまりにも現実的すぎて、きっとそれを甘く選択肢に入れている自分を、
はずかしみ、ただす気持ちも何となく分かる。

人はよく言う。
「何をしても、何を頑張っても、いつか死んでしまうんだから」
と。

僕は思う。
「何をしても、何を頑張っても、どうあがいても、死んでしまうんだ。
だからこそ、頑張って、出来るだけ頑張って、理想を築き上げようでは無いか」と。

では、命が永遠に続いたら、みんなはがんばれるのだろうか?
きっと、違う。
其処には違う絶望が宿る筈だ。
何を頑張っても、永遠に生き続けなければならない。
終わる事の無い戦いを永遠に此処で続けなければならない。
よっぽど、その方が僕は辛い。

前者の様な意見の持ち主はきっと、
「死」と言う物を言い訳にして、自分の非力を肯定している様にしか見えない。

そして、「死」で終わると誰が言った?
此処から先は、信念や、信仰心の違いも出てくるが、
「楽になりたいので、死にます」と自殺して行く人間が居る。
だけど、例えば自殺して死んでもっと辛かったならどうするんだろうと、僕は考える。

どっちにしろ、「楽な道」等無いんではないかと、僕は思う。
生きて行く上で、死は免れない事だし、
生きる事もよけては進めない。

だからこそ、僕は僕の思う僕になる為に、出来るだけたくさんの事を頑張りたいと思う。
例えば明日死んでも、恥ずかしくない人生を送りたいと思う。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索